好きな本のこと

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古本収集癖のはじまり(鈴木創『なごや古本屋案内』)

レンタサイクルと少しごついトートバッグを持って、地方都市を這いずり回る趣味があります。

以前から古本屋は好きだったのですが、今年、とあるイベントに参加して出会った本をきっかけに、古本屋めぐりにはまってしまいました。

服を買いに行くというのがとても億劫で、夏はTシャツチノパン、冬はセーターに暖パンという工夫の「く」の字もない生活をしている私が「家の外に出ないといけない」古本屋めぐりを始めたのは、『なごや古本屋案内』という本のおかげです。
 
なごや古本屋案内

なごや古本屋案内

 
 
ゆとり世代ゆえか、「古本屋めぐり」という趣味があることすら知らなかったのですが、この本に出会い、古本屋にはそれぞれ(強烈すぎる)個性があるということを知りました。

ときに、自分が本を選んだのではなく、本が自分を選んだのだといわれるような本との出会いをされたことがある方もいると思いますが、新刊と古本ではその声が少しちがうように感じます。

新刊は、チアリーダーや松岡修造のようなシャキッとした声。(特に自己啓発系の爽やかなインクの匂いがする本で顕著)
それに比べて古本は、なんといえばいいのかわからない諦観が漂う、読むなら読めばいいけど、まあ後悔はさせんよ、といった声。

そんな古本屋の息遣いがふっと聞こえる、『なごや古本屋案内』は、そんな本です。

巻末についている地図が、ゆとりの現代っ子には読み取れないのですが、迷いながら、名古屋の街に惑わされながらお店をめぐるのも、またいいんじゃないでしょうか。